2009年 12月 15日 ( 1 )

colorante

おぼろげな過去の日々の中で、いつも母親が電話している時に手持ち無沙汰な右手が描く幾層にもえんぴつで塗り重ねられた三角形やその他の図形を、話終え受話器を置きそこから離れた後に電話の左隣に備えられた裏の白いチラシ広告に確認しに行く事が好きだった事を思い出しながら、

【深い、深い森の奥底へと..........】

目で追う本に書かれた[言葉は意味を持つもの]ではなく、[質を伴うもの]だと認識していたような気がした。

罪は滅ぼすものでも、償うべきものでも尚更なく、
犯すものではないものではないのかとの問いに答えられないまま、
常々生きる事は積み重なる罪のように思え、
日常という異常な日々の中、眠り目覚め、

毎日同じ時間、同じ場所へ向かいながら、
どこかで今向かう場所はそこではないどこかであることを望みながら、
日が昇る前に列車に乗り込む乗客たちの視点と視線はみな交錯することなく、
やがて夜は明け、じき日はまた落ちる。

図鑑を彩る奇妙奇天烈な色形をした生物達が持つと記されていた、

【猛毒】

というものに畏怖畏敬の念とある種の憧れを抱きながら、どうすれば毒を持てるのかと幼き知恵を働かし、異形のモノ達へと同化する術を探していた。

擬態という手段を用い周りに色彩を合わせ隠れるものもいる中で、およそ自然界においてその余りに奇抜で色鮮やかな体を成すものは、我が身は猛毒である事を隠そうとはせず、触れるな食うなと他者を拒絶する尊大な優しさを併せ持つように思えてならなかった。

刺を持ち、毒を含み、
目が眩むような鮮明な色を身にまとい、

【深い深い鉄筋コンクリートの森の奥底へと】

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photo 駱駝
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by locario | 2009-12-15 08:08